【全建統一様式】作業員名簿等に記載すべき社会保険番号や事業所番号について

建設業のお客様より、「作業員名簿に施工従事者情報を記載しなければならないのだけれども、従業員の社会保険番号や、会社の事業所番号など、何を記入したら良いのか分からない。」とお問い合わせをいただくことがあります。確かに、どの番号を記載すべきか、番号がどの書類に記載されているのか、非常に分かりづらいかと思います。

今回のブログでは、会社(使用者)が記載すべき社会保険、雇用保険番号と、従業員が記載すべき社会保険・雇用保険の番号、それぞれの確認の方法と、それぞれの書類への記載方法について、全建統一様式に沿って解説します。

会社(使用者)について記載すべき事項

再下請負通知書や施工体制台帳では、会社(法人)の社会保険番号(健康保険・厚生年金保険)、雇用保険に関する番号を記載する必要があります。全建統一様式の注釈の記載に沿って解説します。

厚生年金保険に関する記載

◇全建統一様式の注釈◇
厚生年金保険欄には事業所整理記号および事業所番号を記載する。

① 事業所整理記号 ➡事業所ごとに付与されている記号で、「数字2ケタ+カタカナまたは英数4桁以内」「漢字+ひらがな」の形式で表示されます。
【例】 01-イロハ
② 事業所番号 事業所ごとに付与された5桁の数字で、「保険料納入告知額・領収済額通知書」「適用通知書」に記載されています。

全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している場合に限りますが、厚生年金保険の事業所整理記号は、健康保険証や健康保険資格確認書に記載されている「記号」と変換することが可能で、協会けんぽの支部ごとに変換表が公開されています(例:横浜中21-いろは➡21010203)
➡参考ホームページ:神奈川支部における事業所記号変換表

健康保険に関する記載

◇全建統一様式の注釈◇
健康保険欄には事業所整理記号および事業所番号(健康保険組合においては組合名)を記載する。」

① 事業所整理記号 ➡事業所ごとに付与されている記号で、「数字2ケタ+カタカナまたは英数4桁以内」「漢字+ひらがな」の形式で表示されます。
【例】 01-イロハ
※保険者が協会けんぽではなく、健康保険組合の場合、まず健康保険組合名を記載します。
② 事業所番号 ➡事業所ごとに付与された5桁の数字で、「保険料納入告知額・領収済額通知書」「適用通知書」に記載されています。
※保険者が協会けんぽではなく、健康保険組合の場合、まず健康保険組合名を記載します。

元請や一次店によっては、健康保険加入の証明書類として、健康保険証の写しの提出を求められる場合がありますが、必ず、被保険者記号、番号、保険証番号を全て伏せて(黒塗りやマスキング)して提出するよう注意が必要です

雇用保険に関する記載

◇全建統一様式の注釈◇
労働保険番号を記載する。」

労災保険と雇用保険を合わせて労働保険といいます。労働保険に加入すると、事業所ごとに2桁(府県コード)-1桁(所掌)-2桁(管轄)-6桁(基幹番号)-3桁(枝番号)の計14桁の番号が付与されます。これが労働保険番号になります。ここで注意が必要なのが、建設業の場合、労働保険の適用や保険料の申告・納付を労災保険と雇用保険とに分けてそれぞれ別に行う必要があり、さらに、労災保険・雇用保険に関して、個別(自社)で加入し保険料の申告納付をしている場合と、労働保険事務組合に保険料の申告納付を委託している場合とがあり、労働保険番号についてあやふやになってしまうこともあると思います。再下請負通知書や施工体制台帳、作業員名簿に記入すべき雇用保険の労働保険番号は、以下の書類で確認できます。

■ここで確認!雇用保険の労働保険番号■

① 個別(自社)で雇用保険に加入・申告納付している場合 (a)雇用保険適用事業所設置届 事業主控え
(b)労働(雇用)保険料(概算・確定)申告書
(※)ふじ色と赤色で印刷されている申告書。二元適用事業であって、労災保険の保険関係に係る事業についての申告書は黒色と赤色で印刷されていますので、こちらに記載されている労働保険番号は労災保険にかかる労働保険番号になりますので注意が必要です。
② 労働保険事務組合へ加入・申告納付を委託している場合 (a)労働(雇用)保険料等納入通知書
(b)労働保険事務組合へ直接確認

※雇用保険適用事業所番号(4桁-6桁-1桁の11桁)を雇用保険の労働保険番号と誤って記載するケースが多いのでご注意ください。

個人(従業員)について記載すべき事項

作業員名簿(全建統一様式第5号改定5版)に記載すべき、個人(従業員)についての健康保険、年金保険、雇用保険に関する事項ですが、再下請負通知書や施工体制台帳について、会社(法人)が記載すべき健康保険、年金保険、雇用保険に関する記載方法とは相違しますので注意が必要です。記載方法に関しては、以下の表をご確認ください。

① 健康保険 ➡現在加入している「保険者名」「保険者番号の下4桁」を記載します。保険者名(保険組合名)は以下の中から適切なものを記載することになります。
(a)全国健康保険協会(協会けんぽ)
(b)健康保険組合
(c)国民健康保険
(d)建設国保
(e)適用除外(後期高齢者医療制度の被保険者である場合等)
② 年金保険 ➡年金保険に関しては、以下のうち該当する年金種類を記載します。
(a)厚生年金保険
(b)国民年金
(c)年金受給者
※年金保険の欄は番号の記載不要とされているのでご注意ください。
③ 雇用保険 ➡雇用保険に関しては、以下の中から適切なものを選択して記載します。また(a)の場合には雇用保険被保険者番号の下4桁を記載します。
(a)雇用保険被保険者(通常の作業員)は空白(記載不要)、雇用保険被保険者番号の下4桁を記載。
(b)日雇労働被保険者の場合は日雇保険
(c)事業主や家族従事者の場合には「適用除外」

③の雇用保険に関して、「雇用保険被保険者番号」とは、雇用保険被保険者証に記載されている4桁-6桁-1桁の11桁の番号になります。雇用保険被保険者番号が1234-567890-1の場合、記載すべき4桁の番号は「890-1」となります。

再下請負通知、施工体制台帳や作業員名簿ですが、社会保険(健康保険・厚生年金保険)や雇用保険について、会社(使用者)と個人(従業員)で記載すべき事項は同じでも、その記載方法が異なるため、非常に分かりづらいと思います。ご不明な点があればお気軽にお問い合わせください。

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